南アジア学会(2016年度)

南アジア学会(南アジア研究集会、現代インド地域研究推進事業)
(2016.5.27更新)
■目的、設立の経緯など
南アジア学会は1988年に創設されたものです。同学会の性格と目的は以下の三点にまとめられます。

1.南アジア (インド、スリランカ、ネパール、パキスタンバングラデシュブータンモルディブ、等) 地域を対象とする研究の発展と研究者の交流をはかる。なお、上記領域の住民の移動先諸地域での問題も研究対象に含める。
2.学問分野としては、人文科学・社会科学のみならず、自然科学を含むものとする。
3.単に知識・情報の交換の場とするだけではなく、将来における国内及び国際的共同研究の立案・実施をも視野におさめる。

この学会の前身として成立していた「南アジア研究集会」は、学会とは別に現在でも毎年開催されています。こちらは49年の歴史を持つ、南アジア研究に携わる人々の学術交流の場として機能しています。

■活動の内容
南アジア研究集会は毎年7月に、南アジア学会の研究大会は9月末〜10月に行われます。学会では年に6回ほど「月例懇話会」も開催しており、南アジア研究者は、分野を問わず、折にふれて集まる機会を多く持ちます。学会の特徴としては、若手研究者の発表の機会が多く確保されているということと、いわゆる「大御所」とも呼べる熟年の研究者の方々が積極的に参加されることにあります。したがって、世代を超えた議論が可能となり、学部生をも含めた「若手」たちが鍛えられる場が提供されます。特に研究集会は温泉地での合宿形式をとっており、院生や若手研究者が、論文や著作等でしか触れることができなかった諸研究者と、比較的インフォーマルな形で接しながら議論を深めることができることが特徴です(当然酒宴も盛り上がります)。

■研究会のスピンオフ的な活動、および今後の展開について考えていること
上記のような学会の定期的な集まりと共に、今年度で5年目を迎える「現代インド地域研究推進事業(人間文化研究機構プログラム)」のような、期間限定型の巨大プロジェクトが動くことが多々あり、こうした際にも「若手育成」といいう旗が掲げられます。同事業では、6つの拠点(京大、民博、東大、東外大、龍大、広大)それぞれが得意とする分野における実績を生かし、国際シンポジウムや全体集会などを定期的に開催します。本事業では、ワーキングペーパーや機関誌、研究報告書などの執筆機会も与えられ、研究成果の書籍化にも力を入れています。

■連絡先
日本南アジア学会 http://jasas.info/
NIHUプログラム 現代インド地域研究推進事業(INDAS)
http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/

■その他
近年の急激な経済成長やグローバル化の様相が、メディア等で取り上げられることが増えたこともあり、南アジア諸国に対する人々の関心が高まってきていることを肌で感じています。南アジア学会は、地域研究の枠組みを超え、かつ狭いディシプリンにとらわれず、学際的な研究の在り方を模索していこうという意志の強い学会です。若手に対する配慮も行き届いていると感じられます。今後南アジアを対象とした研究者が増えていくことを願っています。