東アジア人類学研究会

目的や設立の経緯、歴史など
東アジアとその周辺地域を研究する人類学者たちの議論の場として2003年に設立されました。東アジア研究者の議論の場としてすでに組織されていた「仙人の会」と比べると、より人類学の議論(理論)に特化させることを当会の前提としています。当会の主な活動目的は以下の3項目です。?地域研究の枠に閉じこもらず人類学理論をもって非東アジア地域の研究者との対話を試みること、?東アジア研究における「人類学」の位置を確認するために他分野の研究者と対話すること、?ネイティブの人類学との対話を図ること。すなわち、東アジアには韓国、中国、台湾をはじめとする諸国/地域に人類学の機構が確立されているので、海外シンポジウムなどの形で現地の学術機構と対話を図り自己の位置づけをおこなう。同時に、自らがネイティブの人類学であることを自覚し、日本を研究する海外の人類学者との対話を図る。なお、当会でいう「東アジアとその周辺地域」とは具体的には、日本本土、南島諸島(沖縄・奄美など)、韓国、北朝鮮、シベリア、モンゴル、大陸中国、香港、マカオ、台湾、ベトナムラオスミャンマー、各国の日系・朝鮮系・華人系社会を指しています。

活動の内容(研究会の頻度、規模、テーマ、参加者(院生が多いとか)、開催場所など)
研究会は、年に7〜10回ほど開催しています。発表者は、基本的には博士課程の院生から講師レベルの若手ですが、講演もしくはコメンテーターの形で著名な先生にご発表いただくこともあります。「卒論・修論発表会」などの機会を設けて、修士課程院生および学部生に発表をお願いすることもあります。また、当会の目的に合わせて、留学生だけでなく、非東アジア研究者もコメンテーターとしてお呼びすることがあります。ほぼ毎回「○○の人類学」などのテーマを設け、2〜5名程度の方に発表していただいています。参加人数は、多い時は30名前後、少ない時は10名前後で、平均すると15〜20名くらいの方が参加して議論をおこないます。開催場所は、大部分が首都圏の大学(慶応大学、首都大学東京明治大学早稲田大学が最も多い)となっていますが、活動の範囲は首都圏ひいては日本に限定していません。これまでも海外の研究者と対話することを目的とし、中国研究者が中心になって中国華南地方における大会を2回(第一回:広州市、中山大学,第二回:潮州市、韓山師範大学)開催しています。また、2010年11月には中部圏における初の大会も開催されました。開催日は特に固定していませんが、大部分の研究会はこれまで週末の午後(2時から6時頃)に開催しています。詳細は、以下に記しますウェブサイトにてご確認ください。2003年に設立されて以来、研究会は42回を数えます。

研究会のスピンオフ的な活動(本を出したとか、学会分科会になったとか)、および今後の展開について考えていること


連絡先(メールアドレスやウェブサイトなど)
当会のウェブサイト:http://blog.livedoor.jp/touaken/ 
連絡用メールアドレス:green_attitude [at] hotmail.com(小林宏至宛)
幹事:宇田川飛鳥(トロント大学)、小林宏至(日本学術振興会東北大学)、田中孝枝(東京大学)、奈良雅史(筑波大学


その他
東洋史や地域研究の影響力の強い東アジア研究は、どうしても地域の殻に閉じこもりがちになります。その結果、人類学において東アジア研究(特に中国、韓国研究)は特殊な存在であるとみられることが少なくないようです。当会は、東アジアの人類学的研究をめぐるこのような「縦割り型」の現状を打破することを目指していますので、東アジア研究者はもちろんのこと、東アジアでない地域を研究されている方の参加も歓迎いたしております。また、研究会終了後に毎回開催される懇親会では毎回、熱い学術的・人的交流が繰り広げられています。どうぞふるってご参加ください。