国立民族学博物館(2014年度)

国立民族学博物館

■若手支援プロジェクト
(1)文化人類学民族学および関連諸分野を含む多様な研究の推進および、若手研究者の育成・支援を目的に、平成20年度より試行的プロジェクトを開始。平成22年度より制度化。国立民族学博物館の館内関係者だけでなく、館外の研究者も応募可能である。
 公募は4月中下旬に締めきり、各年度2, 3件程度採用。研究代表者は申請時39歳以下、共同研究員は代表者と同世代の若手研究者。研究期間は初年度を10月スタートとし、研究成果公開準備を含めて2年半以内。毎年度70万円を上限に、共同研究会開催費(旅費・日当・宿泊費)を支給。

<進行中の研究課題(カッコ内は研究期間)>
1.帰還移民の比較民族誌的研究―帰還・故郷をめぐる概念と生活世界(2011.10-2014.3)研究代表者:奈倉京子  
2.現代消費文化に関する人類学的研究―モノの価値の変化にみるグローバル化の多元性に着目して(2012.10-1015.3) 研究代表者:小川さやか
3.ランドスケープの人類学的研究―視覚化と身体化の視点から(2012.10-2015.3)研究代表者:河合洋尚
4.「国家英雄」から見るインドネシアの地方と民族の生成と再生(2012.10-2015.3)研究代表者:津田浩司
5.宗教の開発実践と公共性に関する人類学的研究(2013.10-2016.3)研究代表者:石森大知
6.再分配を通じた集団の生成に関する比較民族誌的研究――手続きと多層性に注目して(2013.10-2016.3)研究代表者:浜田明範


(2)若手研究者による民博の共同利用の促進および、若手研究者の育成・支援を目的に、平成21年度より「みんぱく若手研究者奨励セミナー」を実施している。特定のテーマを設定し、関連する民博スタッフによる講演と受講者の研究発表をおこなっている。全ての参加者に『国立民族学博物館研究報告』への投稿権を与えるとともに、最優秀発表者には「みんぱく若手研究者奨励賞」を授与している。
公募は9月下旬締めきり、10名程度採用。応募資格は「大学院博士後期課程の大学院生あるいはPD、または左記に相当する研究歴を有し、積極的に参加する意思を持つ者」とする。11月下旬の3日間を予定。参加者には旅費と宿泊費を支給。

<これまでのテーマ>
平成21年度:開発現象に関わる文化人類学
平成22年度:国境を越える市民社会と人類学
平成23年度:マテリアリティの人間学
平成24年度:包摂と自律の人間学――空間をめぐって
平成25年度:アートを考える――人類学からのアプローチ
平成26年度:包摂と自律の人間学――宗教と社会的つながりをめぐって(予定)


■研究会のスピンオフ的な活動、および今後の展開について考えていること

▶研究成果の公開が義務づけられている。
 1)各年度末に共同研究年次報告書を提出。
 2)毎年度、『民博通信』で研究内容を紹介
 3)研究終了後、共同研究実勢報告書を提出するとともに、共同研究成果報告会で発表。
 4)共同研究会終了後2年以内にその成果を『国立民族学博物館研究報告』に投稿する。また、希望すれば『国立民族学博物館論集』、Senri Ethnological Studies (SES)で刊行することも可能。

■連絡先
Web: http://www.minpaku.ac.jp/

■その他
国立民族学博物館では、若手支援として、3種類の研究員制度を設けている。
?機関研究員
▶ 非常勤スタッフとして館の活動に参与する。3年任期。給与あり。博士号取得者を対象とし、書類審査、面接を通して5〜7名ほど採用する。
Web: http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/organization/staff/kikan.html
?外来研究員
▶ 共同研究会代表者、学振PD、オーバードクターなどを対象とする。特定の受け入れ教官のもとで在籍可能。民博からの給与支給はない。
Web: http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/organization/vr
?共同利用研究員
▶ 博士課程在籍中の大学院生を対象とする。所属大学に籍を置きながらも、国立民族学博物館の資源を利用できる。例えば、国立民族学博物館の教員からの指導を受けたり、館内付設の図書館を自由に利用したりすることなどが可能。
Web: http://www.minpaku.ac.jp/research/education/utilization/sjrf